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波瀾万丈の半生を語り下ろした本を出した、不徹寺の松山照紀住職=姫路市内
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波瀾万丈の半生を語り下ろした本を出した、不徹寺の松山照紀住職=姫路市内

 兵庫県姫路市網干区浜田の尼寺、不徹寺(ふてつじ)の松山照紀(しょうき)住職(60)が半生などを語り下ろした本が刊行された。学生結婚、離婚、シングルマザーの看護師、大病、出家-という波瀾(はらん)万丈の来し方を前半で語り、後半では寺に寄せられる人間関係などの悩みの数々に自身の経験や仏の教えを引用して分かりやすく答えている。

 タイトルは「駆け込み寺の庵主(あんじゅ)さん 心のモヤモヤ『供養』します」(双葉社刊)。年中無休の無料電話相談など、松山住職の活動を新聞記事で目にした編集者から打診があり、出版が実現した。

 同寺は臨済宗妙心寺派の尼僧庵で、江戸時代の俳人田(でん)ステ女(じょ)により、女性のための修行道場として創建された。松山さんは師の紹介で2016年に第25代住職に就任。「すべての女性の駆け込み寺」を目標に、電話相談のほか、懐石料理やお香の教室なども運営して「庵主さん」と親しまれている。

 福岡県の農家出身で、姫路にも僧職にも縁はなかった。幼子2人を抱えて離婚し、手に職を付けようと看護学校に通っていた時に死生学を知り、生と死について深く考えるようになった。インドにあるマザー・テレサの慈善施設まで奉仕活動に出かけたこともある。40歳前から地元の寺の座禅会に参加し、その縁で48歳の時に出家した。

 表紙は愛猫「白樂(しろらく)」と並び、優しくほほ笑む写真。もう1匹いる黒猫「織部」は撮影を怖がりスリーショットはかなわなかったが、帯の下で元気な姿を見せている。猫たちは本のあちこちに登場。寺で暮らす女性、通称「ツイ担」さんによるツイッターの投稿コーナーも設けている。

 家族の突然の死や深刻な病など心の痛む場面もあるが、基本的に話は軽妙な語り口で進む。松山さんも「お茶とお菓子でも用意して、気楽にページをめくってほしい」と話す。そして「読み終わった時、困っている人に『まだ行くところがある』と思ってもらえたら」と期待している。

 四六判213ページ、1595円。一般書店で取り扱っている。

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