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コンテナを改造した唐揚げ店「松本家」=姫路市大津区天神町1
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コンテナを改造した唐揚げ店「松本家」=姫路市大津区天神町1
店舗の移転時は、コンテナごとトレーラーで運んだ(松本あずささん提供)
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店舗の移転時は、コンテナごとトレーラーで運んだ(松本あずささん提供)
店舗型シェアスペース「姫路スバコ」内にオープンした「リグル」。営業日以外は別の借り主が利用する=姫路市野里寺町
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店舗型シェアスペース「姫路スバコ」内にオープンした「リグル」。営業日以外は別の借り主が利用する=姫路市野里寺町
店舗シェアスペースを使った「リグル」の店内。棚には店の商品とは別のアクセサリーなども並ぶ=姫路市野里寺町
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店舗シェアスペースを使った「リグル」の店内。棚には店の商品とは別のアクセサリーなども並ぶ=姫路市野里寺町

 コンテナを改造したり、シェアスペースを活用したりして低コストで自分の店を持つ事例が、兵庫県姫路市内で広がっている。店舗の新築やテナント入居と比べて初期費用を抑えられ、新型コロナウイルス禍で一時ブームになったキッチンカーなどと合わせ、新しい起業の形として注目されている。

 姫路市大津区天神町1の道路沿いに設置された黄色や灰色のコンテナが目を引く。唐揚げ専門店「松本家」は、裏の事務所スペースも含めて全て貨物コンテナでできている。オーナーの松本あずささん(30)は「海外みたいでおしゃれ。コンテナ店舗はまだ珍しいので覚えてもらいやすい」とメリットを語る。

 松本さんは2020年にキッチンカーで唐揚げ店を始めたが、駐車場所が限られるため、好立地での出店を考えコンテナに着目した。翌年、姫路市町坪で初めてコンテナ店舗を構えた。

 メイン店舗のコンテナは2・5坪(8・25平方メートル)ほど。フライヤーや業務用冷蔵庫が置かれた調理場は1人で切り盛りできる広さで、水道や電気を直接つなげられ機能面で特に問題はないという。

 21年夏に今の大津区へ店を移転した際は、コンテナごとトレーラーで運んだそうだ。松本さんは「内外装も自由が利く。土地さえあれば、新築よりもはるかに安く自分だけの店が持てるのが魅力」と話す。

 中心部では、複数の店が出店できるシェアスペースで起業の夢をかなえた店主もいる。昨年5月、野里商店街に開店した高知県産食品を販売する「リグル」もその一つで、週5日、場所を借りて営業している。

 スペースは約20畳(36・5平方メートル)で、棚や調理器具は備品を使える。内装などで制約はあるものの、店主の川上奈利子さん(49)は「初期費用がかなり抑えられた分、食材の仕入れなどに資金を回すことができた」と振り返る。

 「コロナ禍以降、キッチンカーなども含めた『低コスト出店』に関する相談が増えた」と話すのは起業支援などを担当する姫路商工会議所の井上守人さん(59)。一方、「中長期的には借地代やレンタル料がかさむ可能性があり一長一短あるだろう」と指摘する。

 低コスト出店の背景には、自宅などで手軽に起業する「プチ創業」の広がりがある。井上さんは「自宅にコンテナを置いて店を出したり、市街地でシェアスペースが新たに設けられたりする動きもある」と話している。

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