1967年公開のスパイ映画「007は二度死ぬ」のロケ地となった姫路城は、作品の中で忍者の訓練施設として描かれていた。白い塀の前で手裏剣を投げる男たちと、訓練を見学するジェームズ・ボンド。少し奇妙な設定だが、ふと疑問も湧いてくる。姫路に忍者っておったん? 先月、「姫路と忍者」というテーマで講演した兵庫県立大非常勤講師、宇那木隆司さんに話を聞いた。(森下陽介)
■「知識や技術平時にも重宝」
「江戸時代、姫路には確かに忍者がいたんです」。宇那木さんはそう断言する。播磨52万石の領主となった池田輝政が着工した姫路城とその城下に広がる大都市。関ケ原の戦いで体制が一変し、徳川派と豊臣派の間で緊張状態が続く中、大名には情報収集の手段として重宝されていたという。
輝政の時代、家臣の名前や役職、禄高(ろくだか)がまとめられた「池田家分限帳」には、約60人が「伊賀者」とだけ記されている。宇那木さんは「いつ戦争が起こるか分からない状況で、忍びの者には匿名性が求められていた」と指摘する。
約10年後、本多家の時代に、忍術同心として38人の名前が分限帳に登場する。分限帳には忍者とともに、タカの餌となる小鳥を捕って鷹匠(たかじょう)に納める職業「えさし」も並んで記されていた。「例えば『藩主の小鳥がお宅の家に入った』と言われれば、捜索を断れない。忍者は堂々と、他人の家の中にまで入り込める」。一見、異色の組み合わせも、宇那木さんは合理的な配置だったと推測する。
■「志のふ町」地名にも痕跡
忍者の痕跡は、史料だけではなく地名にも残る。山陽姫路駅西側、かつて播磨の台所としてにぎわった姫路市忍町。江戸期の飾磨津門にほど近いこの場所に、「志のふ町」が広がっていた。地名は忍者が居住していたことが由来とされる。
宇那木さんは堀の近くに住居が置かれていた点に着目。「すぐにお堀を移動できて、諜報(ちょうほう)活動に便利そうな場所でしょう。この場所に屋敷を置いたことと関係がないとは思えない」と想像を膨らませる。
徳川体制が安定していくにつれて、忍者の役割も変化していった。平時には、姫路城外堀の巡回や藩主の移動時の警護などを担うようになる。
1749年、新たに姫路藩主となった酒井家の時代には「忍びの術」は軍学や弓術、鷹匠といった「芸事」の一つとされた。特に忍びの術に使われる薬学が重宝され、薬師として忍者が登用されることもあった。
それでも、諜報活動に使う忍者の技術は伝承され続けた。74年に姫路藩の玄関番に就任した加藤伝蔵は、江戸で忍術を修め、わずか24センチの隙間さえあれば自由に出入りできたという。
宇那木さんは「姫路ほどの大都市になると『雇っていて当たり前』と周囲の大名から思われていただろう。役割は変わっていったが、忍者の知識や技術は必要とされ続けていた」とする。

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