姫路

  • 印刷
絵はがきセットの第9集を発表した、剪画作家の小坂通泰さん=姫路市網干区
拡大
絵はがきセットの第9集を発表した、剪画作家の小坂通泰さん=姫路市網干区

 剪画(せんが)(切り絵)やグラフィックデザインを通じ、世界文化遺産・国宝姫路城の美しさを伝え続ける小坂通泰さん(85)=兵庫県姫路市網干区=が、同遺産登録30周年を記念し、姫路城の剪画絵はがきセット第9集を発売した。2022年度の姫路市芸術文化大賞にも選ばれた小坂さん。4年半ぶりの絵はがきの新作では、新型コロナ禍で改めて気付いた城の美などを表現している。(上杉順子)

 小坂さんは姫路市街地の生まれ。毎日、城を見て育った。戦中の栄養失調により患った眼病の影響で、子どものころから分厚い眼鏡が手放せなくなった。その分「見ること」や「見たものを表現すること」に、強いこだわりを抱いた。

 長じてグラフィックデザイナーになり、地元広告代理店を経て1967年に独立。表現方法を模索する中、剪画に出合った。紙の切り方や切り口の違いによって、迫力や味が出る面白さに引かれた。

 絵はがき集は約40年前から制作し、数年ごとに新作を発表してきた。今回は特にコロナ禍を踏まえた作品が目を引く。人が少なく静まり返った城内に咲く、「千姫ぼたん」の花が迫るような印象の1枚は印象的。ほかにも、通院していた姫路医療センター(同市本町)から見た早朝の美景、郷土誌「バンカル」の掲載作などもある。

 黒い紙を切り抜いて白い和紙に貼る剪画は、基本的にモノクロームの世界。「姫路城の表現にぴったり」という点にも大きな魅力を感じている。屋根の影や窓の黒いラインは、城の白壁を一層美しく引き立たせる。「季節や時間帯、天候で刻々と変わる周囲の光景を、永久不変の城とともに映し出す。難しいが達成感がある」。これまでに城を題材にした剪画は、100枚を超えるという。

 「第9集となるとネタ切れしそうなものだが、そうならないのが姫路城のすごさ。自分の足、目で見つけ出した良さをこれからも伝えていきたい」と話す。10枚組880円。姫路城の売店や好古園の窓口で扱う。

姫路
姫路の最新
もっと見る
 

天気(9月6日)

  • 34℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 37℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ