数十年という長い潜伏期間を経て、血液の病気を引き起こす恐れがあるウイルス「HTLV-1」について学ぶ研修会が23日、姫路市本町のイーグレひめじで開かれる。感染者や家族、遺族らでつくる福崎町のNPO団体が主催。理事長の野口油子(つやこ)さん(74)=同町=は弟を同ウイルスが原因の病気で亡くしており、「自分や家族が発症して混乱するのを防ぐため、ウイルスの存在を知ってほしい」と話す。
(田中宏樹)
厚生労働省によると、HTLV-1は、全国で約80万人が感染していると推定される。母乳や性交渉で感染し、血液疾患の「成人T細胞白血病・リンパ腫」(ATL)などを引き起こす。感染者の発症率は約5%とされる。母子感染を防ぐため、妊婦には抗体検査が行われている。