フェンスにまきついて成長を続ける「ど根性スイカ」=姫路市余部区上余部
フェンスにまきついて成長を続ける「ど根性スイカ」=姫路市余部区上余部

 兵庫県姫路市余部区の路上で、アスファルトの隙間から芽を出したスイカが、フェンスの金網にまきつくようにつるを伸ばし、直径約10センチの実をつけたのを、近くのゼラチン・コラーゲンペプチド製造業「宏栄化成」の社員らが見つけた。厳しい暑さの中、成長する「ど根性スイカ」を、社員たちは見守っている。

 橋本佳世子さん(39)ら同社の社員たちがスイカに気づいたのは、9日の昼頃。社員の1人が作業中、道沿いのフェンスに丸い塊がぶら下がっているのを見つけた。橋本さんは「今までこんなことはなかった。みんな、まさかこんな所に、という感じだった」と振り返る。

 スイカはどこから来たのか。周囲はアスファルトで舗装された工場街で、空き地や道端に雑草が生えている程度。同社北隣に住む橋本さんの祖母の家庭菜園でも以前、植えていないスイカが芽を出し、生育したことがあった。どちらのスイカも、カラスなどのふんの中の種から芽を出したのではないか、と橋本さんは推測する。

 スイカが動物に食べられないよう、橋本さんたちは輪切りにしたペットボトルでカバーし、そっと観察を続けている。「食べる予定はないけれど、このまま大きくなってくれたら」と願いを込める。(成 将希)