藍色の軸木に白い頭薬。箱も白地に青でデザインされたスタイリッシュなマッチがある。老舗マッチメーカー「日東社」(姫路市東山)が昨年立ち上げた新ブランド「ブルーラベル」だ。マッチ産業の斜陽化にあらがい、若手・中堅社員らによるチームが「マッチに新たな価値を」と挑んだ。交流サイト(SNS)で若い世代が「かわいい」「かっこいい」と反応し、「見せるマッチ」として人気を集める。(金 慶順)
同社は1923(大正12)年設立。昭和期に広告用や家庭用のマッチ需要が高まったが、使い捨てライターや自動着火の調理、暖房器具が普及したことで、出荷量は低下した。現在、マッチを国内で一貫生産するのは2社のみという。
需要減少という苦境を乗り越えようと、大西潤専務(33)は2023年に新規事業、新商品の開発に着手。社内でメンバーを募ったところ、新入社員を含め8人が手を上げた。小林賢司工場長(42)は「何もしなければ売り上げは下がるだけ。新しいニーズに挑戦したかった」と話す。
開発は「どうしたら若い人にマッチを知ってもらえるか」という視点でスタートした。出たアイデアが「SNS映え」するカラフルなマッチだった。だが同社では軸木を染色したマッチを20年以上作っておらず、技術も不明。そこで「会社に入るまでマッチを擦ったことがなかった」という入社3年目の長根理沙さんらが実験を重ね、軸木を黒や青、ピンク、オレンジ色に染めることに成功した。
数ある色の中から新ブランドが「ブルーラベル」に決まったのは、レトロ感と高級感が好評だったためという。「瀬戸内海ブルーと姫路城ホワイトで地元らしさも表現できた」と大西専務。箱の絵柄は同社が古くから手がける「桃印」「燕(つばめ)印」「パイプ印」などおなじみの7種類だ。若い世代からは「アロマキャンドルに合う」「キャンプで使いたい」と、今までにない反響が寄せられた。
「ぎりぎり家にマッチがあった世代」という東内勝茂職長(39)は「昔は引き出しの中にしまわれていたマッチが、SNS上で『見せるマッチ』として愛されている」と喜ぶ。大西専務は「癒やし、プレゼント、キャンプなどとニーズが広がった。ブルーラベルは、日用品ではなく嗜好(しこう)品としてのマッチの可能性を生んだ」と胸を張る。
1個550円。同社オンラインショップなどで販売中。今後はセレクトショップなどにも販路を広げるという。























