スライドを示し、「成長は小さな一歩の積み重ね」と話す金谷侑也教諭=姫路特別支援学校分教室
スライドを示し、「成長は小さな一歩の積み重ね」と話す金谷侑也教諭=姫路特別支援学校分教室

 姫路特別支援学校分教室(兵庫県姫路市別所町北宿)の教諭、金谷侑也さん(32)が、健康的な肉体美を競う「ベストボディ・ジャパン2026西日本大会」の教員・教育者クラスでグランプリに輝いた。生徒に目標へ向かって努力する姿を見せ、「生徒の『生きた教材』になりたい」との思いを胸に頂点に立った。(船田翔太)

 金谷さんは、軽度の知的障害や自閉症、注意欠如多動症(ADHD)などがある生徒を指導している。学校では、できないことがあるために自信が持てなくなる生徒の姿を見てきた。

 言葉で伝えるだけでは、目標を持つことや努力を積み重ねる過程をイメージしにくい生徒もいる。生徒たちに自信を持ち、挑戦する勇気を育んでもらうには-。金谷さんがたどり着いた答えは、自らが挑戦する姿を見せることだった。

 約8年間続けてきた筋力トレーニングは、金谷さん自身が自信を得ることができた経験だった。目標を設定し、少しずつ乗り越えていくと、自分を認められるようになった。「生徒たちにも日々の成長を実感し、自分自身を肯定できるようになってほしい」。同大会への出場を決意した。

 大会に向けて約4カ月間、背中、肩、胸など5カ所に分けたトレーニングに臨んだ。ベンチプレスなどの回数を徐々に増やして負荷を高め、各部位の筋肉量の向上を目指した。食事を管理し、ランニングなどの有酸素運動も取り入れた。4月時点で約76キロだった体重は約64キロまで減り、体脂肪率を3・6%まで絞った。

 大会は8月に神戸であり、全国から肉体を磨いた人たちが集まった。教員・教育者クラスには新潟県や石川県などから7人が参加した。金谷さんは健康管理を支えた妻や、活動を応援してくれた同僚への感謝の気持ちを胸にステージに立った。引き締まった筋肉だけでなく、ポージングや表現力も高く評価された。

 挑戦する姿は教え子にも届いた。卒業後、生徒は立ち仕事や軽作業などに就くことが多く、体づくりが必須となる。優勝を報告すると、生徒からは「筋トレ、僕もしようかな」「体づくりやってみたいな」との反応があった。

 金谷さんは「本人だけでなく、周囲も『ここまで』と限界を決めてしまうことがある。『靴ひもを結べるようになった』など、できることを一つずつ増やして、成長につなげてほしい」と話し、生徒たちの可能性を信じている。