竜は中国で古くから守り神とされてきた。中国の美術工芸品を所蔵する県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」(加西市豊倉町、県立フラワーセンター内)では、唐代の古代鏡「雲龍紋八花鏡(うんりゅうもんはっかきょう)」を展示中。天を翔(かけ)る竜の姿が、新年の運気上昇を期待させる。(敏蔭潤子)
同館は、同市の家電メーカー「千石」の元社長、故千石唯司さんから寄贈された約500点を所蔵する。中でも世界最高水準と評価される古代中国鏡コレクションは300点を超え、夏王朝で栄えた二里頭(にりとう)文化時代(約3700年前)から宋時代(約千年前)までを網羅する。
干支(えと)の動物が描かれた古代鏡の展示は、同館の正月恒例企画。今年は竜にまつわる所蔵品33点の中から雲龍紋八花鏡を、辰(たつ)年を代表する一面に選んだ。花弁状のデザインは、平和な唐代の流行という。その中央に鎮座する、細部まで表現された竜の姿は迫力満点だ。
3月10日まで。水曜休館。観覧料100円(高校生以下無料)。同館TEL0790・47・2212