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関東大震災後に復元された横浜市開港記念会館=横浜市((c)横浜観光情報)
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関東大震災後に復元された横浜市開港記念会館=横浜市((c)横浜観光情報)
国際港湾都市として発展してきた横浜=横浜市((c)横浜観光情報)
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国際港湾都市として発展してきた横浜=横浜市((c)横浜観光情報)

 神戸と同じように、国際港湾都市として発展した街に横浜がある。どちらも欧米文化をいち早く吸収し、日本の近代化を力強く引っ張った。19世紀半ばに開港して外国人居留地を設け、中国人のコミュニティー(中華街、南京町)が形成されるなど共通点は多い。

 「むしろ違いを見つけるのが難しいほどです。互いに参考にしながら発展してきましたから」

 神戸、横浜両市をそう語るのは横浜外国人居留地研究会の斎藤多喜夫会長だ。

 鉄道、アイスクリーム、電話。西洋の文化を早期に取り入れた横浜は、神戸以上に「日本初」が多い。今も「異国情緒あふれる港町」というイメージは強く、この点は神戸に似ている。

 一方で、斎藤さんは「あえて違いと言えば」と前置きし、震災が発生した時期や規模を挙げた。

 神戸などを襲った阪神・淡路大震災は1995年、関東大震災は1923(大正12)年にそれぞれ発生。両市とも居留地が正式に返還されたのは同じ1899(明治32)年で、震災はその後に起きた。

 しかし、阪神・淡路はある程度建物が近代化された中で起きたのに対し、関東大震災はかなりそれ以前の災害。斎藤さんは被災の影響を「横浜の場合、都市基盤に関しては歴史の断絶と言ってもいいほどだった」とみる。

 横浜の居留地は大きく二つの地区に分かれ、総面積は神戸の約7倍の広さ。斎藤さんによると、山下公園がある現在の横浜市中区山下町エリアは、居留地の町割りがほぼそのまま残っているが、建物は震災で壊滅的な被害を受け「横浜にとっての居留地時代は地下に埋もれている」という。

 神戸市民として、同じ港町である横浜には勝手に親近感を覚えていたが、震災の影響がこれほど強く残っているとは知らなかった。

 さらに、斎藤さんから衝撃的な発言が飛び出した。

 「実は、居留地という言葉自体が横浜では死語になっています」(安福直剛)

【バックナンバー】
(6)南京町市場 朝ドラ機に観光地に
(5)南京町コミュニティーの形成 貿易、中国人が仲介役
(4)「雑居地」の設定 「日本初」次々と発祥
(3)海軍操練所跡の碑 開港後は英国領事館に
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