終戦80年の節目に、軍国主義に染まっていく戦前の神戸を伝えようと、神戸市兵庫区在住の詩人玉川侑香さん(77)が、詩集「音が するのだった」を自費出版した。父の手記や母の語りを基に、出征兵士の見送りや空襲の被害、学校での軍事教練などをつづった。(津谷治英)
玉川さんは30代で詩の創作を始め、現在はギャラリー「いちばぎゃらりぃ侑香」(兵庫区神田町)を経営しながら文化活動に取り組む。戦争を取り上げた詩集は、南方の島で暮らした父の手記をまとめ、壺井繁治賞を受けた2016年の「戦争を食らう」に続いて2作目となる。