1995年の阪神・淡路大震災の約1カ月後、静岡県湖西市の野間輝雄さん(82)が神戸市長田区の宮川小学校に贈った七段びなが、今年も同校の玄関に設置された。31年前、避難所となった校舎に置かれ、被災者の心を和ませたひな飾り。それから毎年展示されており、震災で受けた善意を児童に伝え続けている。(田中宏樹)
■避難生活を送る高齢者は手を合わせ「元気になるわ」と喜んだという
宮川小の校区は阪神・淡路で大きな被害が生じ、1月17日の発生当日には住民ら約900人が避難。体育館は天井の一部が落ちたため、被災者は各教室に身を寄せた。
野間さんは知人の弟が避難したという。「被災地を元気づけたい」と考え、当時19歳だった娘が幼い頃から自宅に飾っていたひな人形を贈ることにした。発生から1カ月ほどたった2月22日に宮川小に届き、教職員が階段の踊り場に飾った。
避難生活を送る高齢者は、ひな飾りの前に座布団を敷き、手を合わせて「元気になるわ」と喜んだという。震災当時の校長、寺村晟子(せいこ)さん(88)=芦屋市=はその光景を今でも覚えており、「思い出すと涙があふれる」としみじみと話す。
震災後も毎年飾られ、今年は2月中旬に寺村さんや地域住民らが校舎玄関に設置した。ひな人形が届いた経緯を伝える紙も張り出し、現校長の藤原慎吾さん(57)は「朝会で児童に話したい」とする。
「発生から30年を超えても大切に展示してもらえてうれしい」と話す野間さん。寺村さんは「被災地を思ってくれた多くの人の心や互いに助け合った気持ちが、今の子どもに少しでも伝わってほしい」と願う。
























