現代将棋は人工知能(AI)の出現により、劇的に変わった。AIを研究に用い、その先頭を走る藤井聡太七冠=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=は、過去の常識を覆すような斬新な指し手を次々と披露し、プロ棋界に大きな影響を与えた。一方、多くの棋士が若き王者に対抗するため、日々研さんを積む。
藤井聡太七冠(22)はプロデビュー以来、最年少記録を次々と塗り替えていった。対局中、膨大な量を短時間で読む。しかも指し手が的確となり、勝利を呼び込んでいく。さらに不利な状況をひっくり返す終盤戦の巧みさもある。将棋界の頂点に立つ若き王者がもたらしたものは何か。
その強さは少年時代に没頭した、王手の連続で玉を追い込み奪うゲーム「詰め将棋」で培われたものだ。その影響もあり、最近ではトッププロの間でも詰め将棋での勉強法が見直されている。