「助けてあげなくちゃと思ったから」。兵庫県三木市の少女=当時(15)=を誘拐したとして、6月、未成年者誘拐の疑いで三木署に逮捕された神奈川県のパート女性(23)が語った動機だ。2人は交流サイト(SNS)で知り合い、一緒にいたのはわずか1日。神戸地検は7月、「犯行後の諸事情を考慮した」として不起訴処分とした。遠く離れて暮らす8歳差の2人を引き合わせたものは何だったのか。背景を探った。(小西隆久)
事件を起こしたアリサ(23)=仮名=が市販のせき止め薬を一度に過剰摂取する「オーバードーズ」を覚えたのは1年ほど前。当時付き合っていた男性から「一緒にやろう」と誘われたのがきっかけだった。
「(オーバードーズを)やっていると多幸感がハンパない。それに、してなければ家の外に出られないほど人間が嫌い」。細い両脚を抱えた両腕には、痛々しい切り傷がびっしり残る。以前付き合った男に刃物で切り付けられたという。
アプリで加工した自撮りの写真とともにSNSに「かわいいって言えよ」「誰も何も言ってくれないなら死ぬか」などと投稿を繰り返し、誰かの返答を待つ空虚な日々。「一人でいたくない」という一心で家出をにおわせる投稿者に、片っ端からメールを送ったこともあった。
6月中旬のある日、自身の交際歴について触れ「関西人とはもう付き合いたくない」と投稿すると「わたしはどう? 関西人だけど」と返信があった。
それが三木市の施設で暮らす当時15歳の少女ハナ(仮名)だった。
「わたしと付き合ってくれるの?」
「まかせろ、ハナは全力で愛す」
「じゃ付き合お。。、」
「いっしょにくらす?」
「そうだよ」
「(私も)いく!」
「かわいい」
SNSで交わされる短い言葉は途切れることがない。SNS上で共通の知人がいたこともあり、2人の間の距離は急速に縮まっていく。
アリサが「名古屋に行く」とハナに告げると「一緒に行きたい」と返ってきた。共通の知人であるリリー(仮名)から、ハナについて年齢と「親ヤバイ」「施設にいた」という話を聞いていた。
漠然と「家に帰りたくない理由があるんだろうな。助けにいかないと」と考えた。同時に「一人でいたくはないし」とも思った。
「もう家出してでも(アリサに)会いに行きたい」とハナ。アリサが「(家出)してくる?」と尋ねると、間髪入れずに「(家出)したい」とのメッセージがスマートフォンの画面に浮かんだ。「あたし誘拐犯になってまうおわたwww」。
冗談めかしたが、ハナは未成年者。「犯罪になるかもしれない。でも会えるなら逮捕されてもいい」と心中は落ち着いていた。
アリサはハナに会うと決めた。互いの顔も知らない。SNSでやりとりを始めてまだ1日もたっていなかった。(敬称略)
【未成年者誘拐】18歳未満をだましたり誘惑したりして保護者の監督下から連れ去り、支配下に置くことで成立する。わいせつなどの特別な目的がなくても、未成年者本人が「行きたい」と同意しても罪が成立する。実の親でも逮捕されるケースがある。
























