「ねえ、見て。あの時計、間違っているよ」

 神戸・三宮の駅を降りてすぐに小1の息子が言った。指さす先には、5時46分を示す掛け時計があった。

 阪神・淡路大震災でね…と説明しようとすると、学校でも教えてもらったらしく、「あ、止まっちゃったんだね」と返ってきた。

火災の被害を受けた地域で、ポリタンクで水を運んでいた2人組の女の子が撮影に応じてくれた=神戸市灘区

 30年の時が流れた。街並みは変わり、震災を知らない世代が大人になる中、息子たち、子どもたちは学ぼうとしている。