エフエムみっきぃで「頑張る発達レインボー」のパーソナリティーを務める寺坂恵美子さん=三木市役所

エフエムみっきぃで「頑張る発達レインボー」のパーソナリティーを務める寺坂恵美子さん=三木市役所

 発達障害のある息子2人を育てる三木市の寺坂恵美子さん(48)は、かつて子育ての正解を求める「優等生ママ」でしたが、同じ悩みを持つ親たちとの交流が転機になりました。地元のコミュニティーラジオ「エフエムみっきぃ」で7年間、「頑張る発達レインボー」のパーソナリティーを務め、誰もが障害を自然に受け止められる社会を目指して発信しています。(聞き手・合田純奈)

 -ラジオ番組を始めたきっかけは。

 「出産前からエフエムみっきぃでパーソナリティーをしていました。復帰前後、姫路のコミュニティーラジオにあった発達障害の番組が終了すると聞いたんです。当事者や親に直接聞きにくいことってありますよね。そこで発達障害に触れる機会になればと番組『頑張る-』を発案しました」

 -長男の発達について。

 「2歳の頃、周りの子がしゃべり始めるなか、発語がなく、友達の輪の中で1人で遊んでいました。周りから『男の子は言葉が遅い』と言われていましたが、5歳になっても単語だけで会話していたので地域の相談室へ行きました。この頃には明らかに遅いとわかっていましたが、確信を持ちたくなかったんです」

 「風邪で病院に行った時、お医者さんに『この子、発達遅いよ』って言われました。相談室の保健師さんは診断の権限がないので、はっきり言われたことがなくて。傷をえぐられて、家で大泣きしました。そこから長男は自閉症と軽度知的障害の診断を受け、明石市の子ども発達支援センターで療育を始めました」

 -葛藤は?

 「妊娠期間や、育て方を振り返り、何が悪かったんだろうと自分を責めました。私は運動も勉強もできるタイプだったので『優等生ママ』でいたかったんだと思います。次男も成長がゆっくりでした。でも長男の経験があったので、年少の時、早めに診断を受けて療育を始めました。次男のときは『こいつもか!』と思うようになっていました」

 -何か変化が?

 「発達障害の子を育てる親の会に勇気を出して入ったんです。感覚が過敏で耳掃除をさせてくれないとこぼすと、先輩たちが『そんなん、絶対させてくれへんよ!』と笑って共感してくれて。救われたし、1人で戦わずに済みました」

 -その経験が発信することにつながった。

 「2019年に番組を始めてもうすぐ400回になります。季節ごとに悩みがあるんです。例えば運動会。周りの子と比べてしまって、ビデオを撮っても仕方ないんじゃないかとためらっていました。でも撮影すれば、ちゃんと成長が見られる。発達障害の育児は謝ってばかりです。次男はうまく気持ちを表現できずイライラして迷惑をかけてしまうことも。謝り続けていると、自己肯定感も下がります。できたことを認めてあげてと伝えています」

 -どんな思いで番組を

 「以前、飲食店で隣の客から『しつけができていない子を連れてくるな』と言われ、悔し泣きしたことがあります。悪気はなくても、無知は時に人を傷つけます。日頃から発達障害の認識が『天然パーマ』くらいになればいいのにと話しています。天然パーマは個性だし、どんな接し方をすればいいかなんて考えないですよね。そのくらい、壁がなくなっていけば」