栃木県の東武日光線新鹿沼駅で、作業員4人が特急列車にはねられ死亡した事故から20日で1カ月。遠方の見張りが所定の位置に着く前に除草作業が始まり、別の見張りが進入許可の合図を出すなど、指揮者を含め複数のミスが連なったとみられる。捜査関係者は「事実関係はおおむね把握できているが、過失と刑事責任の精査には時間がかかる」と語る。

 防げなかった要因の一つとみられるのが、作業現場から315m離れた配置場所の「中継見張り員」が到着していなかったこと。駅の手前はカーブで見通しが悪く、最初に列車の接近を知らせる役割だった。

 中継見張り員を派遣した警備会社によると、手順では配置に到着後、無線で作業指揮者らに報告することになっていた。しかし持ち場に着く直前に踏切が鳴り出し、無線で「踏切が閉まったので列車が来ます」と呼びかけた。「除草作業は始まっていないと認識していた」という。

 作業現場から80mに位置する「列車見張り員」は、運転士に進入を許可したとされる。運転士の説明では、列車見張り員は進入を認める黄緑の旗を揚げた。