最近、普段使いのスーパーやコンビニなどでも品ぞろえが充実し、身近なお酒になりつつあるワイン。さまざまな産地や品目があり、見た目も味も異なる多数の品目から選ぶ楽しみも、その魅力の一つです。ソムリエの堀有香さん(48)に聞いたQ&Aのポイントを紹介します。
■季節と価格帯
-ワインの選び方ですが、大まかなポイントは。
「まずは季節と価格帯ですね。春なら、桜のイメージでスパークリング(泡)のロゼとか。秋ならしっとりと、重めの赤とか。その日の天気や気温なども踏まえて、フィーリングで選べば良いと思います。価格帯は基本的に、食べるものとのバランスを考えます」
■肉に白、魚に赤も
-赤と白とスパークリングがあります。
「肉料理なら赤、魚料理なら白がベースですが、失敗する場合もあります。調理法やソースによって変わりますし、色目も影響します。試して失敗しながら経験値を高めてください」
「スパークリングはどんな料理にも合います。迷ったときはシャンパン(フランス・シャンパーニュ地方特産のスパークリングワイン)をお勧めします」
■温度調節の裏技
-家飲みの注意点は。
「ものによって異なりますが、赤は常温、白とスパークリングは冷やすのが一般的です。ただ、フランスの常温は15~18度と低く、赤も少し冷やすのが良いでしょう」
「白やスパークリングを手っ取り早く冷やしたいときは冷凍庫に入れるのもありです。冷やしすぎたとき、ボトルを抱きかかえて温めるのも、家の中ならご愛敬でしょう」
■デキャンタージュで味変も
-ひと味違う飲み方は。
「デキャンタージュといって、ワインを空気に触れさせて『開かせる』という楽しみ方があります。飲んで『物足りないなぁ』と思ったとき、味わいや香りを変えるんです」
「本来はデキャンタというガラス容器にワインを移すのですが、手軽にやるなら、ワイングラスに一度注いで、再びボトルに戻すだけでだいぶ変わります」
堀有香(ほり・ゆか) 兵庫県加古川市出身、大阪音楽大学短期大学部卒。2007年、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格取得。20年から同協会兵庫支部長。JR加古川駅南のワインバー「ウィズ・ワイン」でソムリエを務める。ウィズ・ワインTEL090・4285・0659
スーパーのワインの選び方<1> 基本は「季節」と「価格帯」 肉に赤、魚に白はもう古い? ソムリエ・堀有香さんに聞く