うどんチェーン「丸亀製麺」のハワイ出店の支援を託されるなど、数々の大型事業を裏で支えてきたコンサルティング会社「トイトマ」(神戸市)社長の山中哲男さん(41)。飲食、人材派遣、金融、医療など、さまざまな分野で成果を上げられる背景には、近著のタイトルにもなった「相談する力」があるという。「経営者やリーダーにこそ必要」という、そのビジネススキルとは。(聞き手・斉藤正志)

 -多岐にわたる分野で事業を手がけていますが、どのようにして知見を深めているのでしょうか。

 「何も知らない業界に挑戦する時は、自分で考えて、調べてみて、分からないことが多いと、自分より詳しい人に相談しに行きます。今持っている構想などを聞いてもらって、『間違っているよ』『ここをもっと掘り下げないとだめだよ』と指摘してもらい、自分の中で事業の解像度を高めていくんです。その中で自分のやるべきことが見えてきます」

経済界の大物らに任された事業で成果を上げてきた「トイトマ」社長の山中哲男さん=大阪市内

 -相談から始まるんですね。

 「事業を進める中で、一番の悪は『何もしないこと』。それを打破するために、相談して、情報や機会をもらうことによって、ネクストアクションを見つけていくことにつなげます」