客から暴言や理不尽な要求などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題になっている。さまざまな業種の被害実態を紹介するシリーズの3回目はヘアサロン。娘の仕上がりが気に入らなかった母親から、丸刈りでの謝罪を求められた個人経営の店を紹介する。(斉藤正志)

 ■笑顔で帰ったはずなのに…

 客からの度を越した要求に対し、特に個人営業の場合は、店の評判を気にして従ってしまうことがある。

 神戸市の伊達さん(仮名、50代女性)は、同市で夫とヘアサロンを営む。

 女子高校生が一人で来店したときのことだった。

 その女子高校生は以前に母親と訪れ、伊達さんは母親から、切り方や仕上げ方などを事細かに指示されたことがあった。