「最後のとりで」と称されるクリーニング店が赤穂市坂越(さこし)にある。ハレの日に着る和服、汗の染み込んだ柔道着、秋祭りで使った衣装やのぼり-。扱いづらい素材や汚れの程度から「うちでは対処できない」と断られた人たちを吸い寄せる。「しみぬき工房 つづれや」の田川芳弘代表(78)は、どんな難しい要望にも「ひとまずチャレンジする」を信条に、一つずつ手作業で染みを取り除く。その培った技術で、これまで手入れは不可能とされた伝統工芸品「赤穂緞通(だんつう)」の染み抜き法も確立した。あまたの衣類をよみがえらせる技の極意は。染み抜きのプロフェッショナルを訪ねた。(橘高 声)





















