海外への短期留学を控え抱負を語る馬場未宙さん(右)と鈴木理桜さん=赤穂市役所
海外への短期留学を控え抱負を語る馬場未宙さん(右)と鈴木理桜さん=赤穂市役所

 県立大付属高校(上郡町光都3)で学ぶ赤穂市在住の1年生2人が、カナダとオーストラリアでの短期留学へ出発した。現地で学ぶテーマは、総合診療とフードロス。それぞれの国で先進事例を学び、帰国後は、日本での課題解決につなげたい考えだ。2人は今月22日、出発前に赤穂市役所を訪れ、牟礼正稔市長に「異文化を吸収し、日本の文化も現地で積極的に発信したい」と抱負を語った。(桑名良典)

 馬場未宙(うまばみひろ)さん(15)は、カナダで総合診療のあり方を、鈴木理桜(りお)さん(16)はオーストラリアでフードロス削減の仕組みを学ぶ。いずれも探究テーマを自ら設定し、文部科学省や兵庫県が公募した海外短期留学制度に採用された。

 馬場さんの将来の目標は、さまざまな病気に対応する「総合診療医」になること。中学生のとき、体調不良で受診した医師が優しく温かい言葉で治療してくれたことが、医師の道を志すきっかけになった。地域の医療課題を学ぶ中で「複数の疾患を抱えた高齢者や、どの診療科に行けばいいか分からず困っている人が多い。包括的に患者を診察する総合診療が求められている」と考えた。

 カナダでは「ファミリードクター制度」が浸透し、総合診療医が医療の入り口として信頼できる存在という。現地の医師にもインタビューする予定で「患者と、どのようなコミュニケーションを取っているのか知りたい」と話す。

 一方、鈴木さんの研究テーマは「愛する食べ物を世界から救え」。オーストラリアでフードロス削減に取り組む団体や店舗を訪ねる。今春には赤穂市内のボランティア団体でフードロス削減活動に参加。スーパーで買い物客に意識調査をするなど、調査研究に取り組んできた。

 現地では、スーパーや飲食店から廃棄される予定の食品を回収し、必要とする人へ届ける団体「オズハーベスト」や、スーパーなどを訪ねて活動の仕組みを学ぶほか、利用者へのアンケートも行う予定という。

 将来の目標は、食品廃棄を減らすモデルを確立し、起業することと話す。「フードロス削減の取り組みの認知度が、日本は低すぎる。オーストラリアで市民や活動している人たちの思いを学び、仕組みを伝えたい」と力を込めた。

 2人は、研究テーマ以外にもそれぞれ、現地の教会などを巡ったり、赤穂の塩をPRしたりするなど、現地の人との交流にも取り組むという。鈴木さんは8月8日、馬場さんは同17日に帰国予定。