兵庫県教育委員会は2日、来春入学の公立高校入試に向け、県内の国公立中学3年生を対象にした進学希望調査(9月1日時点)の結果を発表した。高校進学希望率は99・3%で、県内公立高の希望者は3万6435人と、前年度から158人減少。2024年度に県立7高校に新設される「普通科新学科」は、御影の文理探究科が希望倍率で全学科・コーストップの3・15倍だった一方、篠山鳳鳴のSTEAM(スティーム)探究科が0・7倍にとどまるなど地域差が出た。
対象の中学3年生は4万4077人で、前年度から44人減った。うち高校進学希望者が4万3761人で前年度比31人増となり、就職希望者は81人で同9人増。進路未定は125人で同57人減だった。
普通科新学科は国が進める普通科改革の一環で、普通科の枠組みで探究活動に特化した授業時間が確保できるのが特徴。1学年のうち1学級を新学科とし、各校とも定員40人を推薦入試で募る。新学科は希望倍率(新学科以外は23年度の定員で算定)で全体のトップだった御影以外にも、姫路飾西が2・58倍と人気を集めた一方、篠山鳳鳴のほか、柏原(0・88倍)、八鹿(0・98倍)は希望倍率が1を下回った。
また専門高では、明石商業で福祉科が新設され、国際会計科が募集停止となっている。
県内私立高(全日制)の希望者は2166人で前年度から17人減り、県外私立高(同)は19人増の1214人。いずれもほぼ横ばいだった。
一方、県内外に本校を置く私立の広域通信制高校を希望する生徒は、1476人と前年度から121人増えた。全国的な増加傾向が背景にあるとみられ、県教委は「不登校や中退を経験した人らの選択に加え、自分の時間を大切にしながら学べる形を望む生徒が増えており、通信制のスタイルと合致した結果ではないか」とする。
公立高、私立高とも募集定員の発表は10月下旬の予定。(大橋凜太郎)
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