再整備で形を変えた市道。車のテールランプが蛇行しながら光跡を残す=神戸市中央区(25秒間露光)
再整備で形を変えた市道。車のテールランプが蛇行しながら光跡を残す=神戸市中央区(25秒間露光)

 制限速度は30キロ、南行きの一方通行。スピードを落とした車のテールランプが、夜の街にくねくねと曲線を描く。蛇行する道はまるで、外敵からの防御のために、あえて街路を曲げるなどした城下町のようだ。

 ここは全長約750メートルの市道葺合南54号線。神戸・三宮に立つ神戸国際会館(神戸市中央区御幸通8)の南東から、みなとのもり公園(同区小野浜町)の北側へと続く。元は2車線あった車道を1車線とし、歩道を片側約4メートルから7メートルに広げて今年5月、「磯上ロード」と愛称が付けられた。

 歩行者の往来を優先した空間で、歩道には多彩なベンチや花壇を配置。平日はかいわいの会社員や学生ら、休日はお出かけの家族連れなどでにぎわう。

 駅ビルやバスターミナルを含む大規模な三宮再整備の一環として、一足早く装いを新たにした空間が、これからの街の変貌を告げている。(長嶺麻子)