火災現場となった民家に取り残された高齢女性を救助したとして、兵庫県警姫路署は、同県姫路市神和町の大加戸宗昭さん(70)に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。
大加戸さんは7月26日午後2時ごろ、買い物途中に自宅近くの2階建て民家から煙が上がっているのを見つけた。玄関の扉をたたいたが、応答がない。煙はどんどん濃くなるが、消防車が来る気配はなかった。
もう一度扉をたたくと、中から開いたが、住人の女性(92)が力尽きて倒れていた。大加戸さんは女性を肩に背負い、現場近くに住む親族のもとに運び込んだ。女性の家は全焼。煙を吸ったが軽傷で、命に別条はなかった。
姫路署の岡本修署長から賞状を受け取った大加戸さんは「怖いという気持ちはなかった。女性が助かって何より」とほっとした表情を浮かべた。(成 将希)