ルッキズムを巡るアンケートから抽出したキーワード(ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析 https://textmining.userlocal.jp/)
ルッキズムを巡るアンケートから抽出したキーワード(ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析 https://textmining.userlocal.jp/)

 ルッキズムという言葉が広がっています。外見に基づく差別や偏見のこと。最近では「見た目で人を判断すること」「容姿に言及すること」など多面的な文脈で使われています。ルッキズムに対する考えや容姿を巡る体験談をアンケートで募ると、さまざまな回答が寄せられました。その中からいくつか紹介します(回答は一部要約、省略しています)。

ご意見や体験談は、随時こちらで募っています。

■初詣で願ったこと

 生まれた時から色白で、小中学校時代ソバカスがとても目立っていました。小学生の時、クラスの活発な男子に「アンタなんでそんなに顔ブツブツなん?」と、本人は何げなく言ったつもりだとは思いますが、気にしていることをハッキリ言われてとても傷つきました。フォークダンスなどで男子に間近で顔を見られるのがとても苦痛でした。毎年家族で行く初詣も、いつも「ソバカスが消えますように」とお祈りしていました。高校に入学すると、自分よりソバカスの濃い女子が同じクラスにいて、誰からも何も言われなくなり気持ちは少し落ち着きました。大学、社会人と成長するにつれ、段々目立たなくなり、自分の見た目にコンプレックスはなくなりましたが、言われた言葉自体は忘れていないので、心は傷ついたままなのだと思います。シリーズの「ほくろ」の回を読んで、ソバカスと違ってほくろは消えないし目立つので、辛かっただろうなと、悩んでいる人の気持ちがとても良く分かりました。(40代女性)

■脱毛に踏み出せない

 私は女性だけど体毛が濃く、口ひげが目立ち、脚の毛が男性より濃いと思っています。高校生の頃からそっていましたが、すぐ伸びるので毎日しなくてはいけなくて、産後はできなくなりました。脱毛が盛んになった今なら、してもいいかな、と思う一方、自分だけお金と時間を費やさないといけないのか、と思うと踏み出せないです。(50代女性)

■除去したほくろは20個超

 顔に集中してほくろが多く、物心つく頃からコンプレックスでした。お母さんの顔を見るとたくさんのほくろがあり、遺伝なのかと諦めていましたが、中学以上になると、男子に顔のほくろの数を数えられたり、特に鼻の頭のほくろを見て「鼻くそついてるよ!」とからかわれたりして、とても傷つきました。45歳の今でもトラウマになっています。ここ数年で美容皮膚科のレーザー治療で20個以上ほくろを除去し、お肌がきれいねと言われるようになり、この記事に共感する部分がたくさんあり、泣けました。(40代女性)

■娘に勧めたほくろ除去

 ほくろが気になり、写真を撮られるのが嫌で嫌で…。たくさんからかわれました。ほくろを取ってからの私は本当に生き生きしてきました。娘が生まれて、ほくろが嫌だと言った時に取ることを勧めました。他人は気にもしていないかもしれないが、本人にはとても苦痛なこともあります。(60代女性)

■見知らぬ人に言われた「このハゲが」

 薄毛についてバカにされたことは数知れず。歩いていると、すれ違った知らない人(酔っぱらい?)から突然「このハゲが」と言われたことがある。(70代男性)

■娘に「かわいい」と言われ

 ゴリゴリの父親似のおかげでこわもてのガタイとなり、たいてい暴力団もしくはその関係者と思われがち。今まで絡まれたことがないのは父親に感謝している。繁華街を歩いていても、みんな勝手に避けてくれるのでなんかもうしわけない。しかし、たまに職質されるのはちょっと複雑。後方からあおり運転をされた際も、信号待ちでドアを開け降車しただけなのにあおってきた当事者が謝ってきた。割とこわもても悪くはない。娘からは「かわいい」と言われ、とてもうれしい。(40代男性)

■「鼻筋通ってないのはどうもならん」

 私の鼻は低く、夫は鼻筋が通りきれいな鼻をしています。息子が成長し、鼻は夫に似たことがわかると、しゅうとは息子を見て、「このまま鼻が低かったらどないしよかと思ってた、鼻筋通ってないのはどうもならん、ほんま良かったなぁ」と。あー、ずっと私に似て困ったもんだと思ってたんだなと。親戚の集まりの中でのことだったので、悲しかったし自分が恥ずかしかったです。ただ単純に、孫にはきれいな顔になってほしいと思っていただけと、思うようにしましたが。そういうことを平然と口にし、誰かを傷つけることも分からないしゅうとに、息子が似なくて良かったです!(50代女性)

■今思うと恥ずかしい

 子どもの頃は残酷で身体的特徴を面白がっていじっていた。今思うと恥ずかしい。(60代男性)

■かわいくなくてかわいそう

 小さい頃から、母から「女の子なのに顔がかわいくなくてかわいそう」とか「損してる」とか言われ続けて傷つきました。全てうまくいかないことを「かわいくないからか」と理由づけていました。自己肯定感の低い思春期を過ごし、生きにくさを常に感じていました。(60代女性)

すがたかたち ルッキズムを考える