ヒューマン講談創作に向けて伊藤美子さん(右)から半生を聞き取る旭堂南歩さん=加古川市加古川町溝之口
ヒューマン講談創作に向けて伊藤美子さん(右)から半生を聞き取る旭堂南歩さん=加古川市加古川町溝之口

 講談師の旭堂南歩さん(34)=稲美町出身=が、加古川市内唯一の銭湯(一般公衆浴場)ののれんを守る女将(おかみ)の半生を題材に、講談を創作している。「千代の湯」(加古川町溝之口)店主の伊藤美子さん(58)。死別した夫の後を継ぎ、苦境に立たされながらも、周囲の応援を得て、奮闘する。南歩さんも応援団の一人。十八番(おはこ)のヒューマン講談に仕立て、25日、同店で披露する。(増井哲夫)

 南歩さんが伊藤さんに出会ったのは2023年夏に神戸市中央区であった銭湯の未来を考えるトークイベント。当時、大阪市内の銭湯の厚意で風呂掃除をする代わり2階に住まわせてもらっていて、この日は進行役だった。「うちも大変でして…」。存続の危機にあった伊藤さんが話しかけた。「私で何かお役に立てるなら」と南歩さんが後日、千代の湯を訪ねた。

 伊藤さんはこれまでの苦難を次々と打ち明けた。夫が病に倒れ、経営に携わったことのない専業主婦が店を継いだこと。夫の他界後、従業員が辞めてしまったこと。がむしゃらに働き、従業員も確保できたが、コロナ禍や燃料費高騰で苦境にあること-。