阪神・淡路大震災から29年となる来年1月17日前後に、兵庫県内で市民団体が開催する追悼行事が、20日時点で43件あることが民間団体の調査で分かった。前年比1件増とほぼ横ばい。一方、市民団体の行事とは別に、小中学校などでの黙とうや避難訓練は増え、調査した「市民による追悼行事を考える会」は「次代へ伝承する意識が教育現場で高まっている」とした。
今秋、約4200団体(学校園を含む)を対象にアンケートを実施し、1444団体から回答を得た。行事43件の内訳は、集いやウオークなど18件▽法要、礼拝など17件▽コンサート、展示会など8件。震災25年の2020年には60件あったが、新型コロナウイルス禍以降、減少傾向が続く。
学校・幼稚園で黙とうや訓練を行うのは計910校園で、前年比37校園増。また、今回初めて調査対象に加えた認定こども園・保育所も計321施設が同様の取り組みを行うとした。実施する施設には西播磨、但馬地域も含まれ、同会は「県内全体に関連行事が行き渡っている」と評価した。
同会世話人代表の高橋守雄さん(75)は「高齢化で解散する団体もある。震災30年に向け行事の実施を啓発していきたい」としている。(名倉あかり)