新春の鏡開きや正月飾りに使われる菰樽の製造が、兵庫県尼崎市の老舗メーカー「岸本吉二商店」で大詰めを迎えている。来年の干支「辰」の字や絵をあしらった菰が、縄でしっかりと樽に巻き付けられていく。
菰樽は江戸時代に伊丹や灘の酒を船で運ぶ際、樽を稲わらの菰でくるんで保護したのが始まり。酒どころに近い尼崎で農家の冬仕事として発展した。現在は全国の酒造会社が使う菰樽のほとんどを尼崎の2社が手がけているという。
同社では12月、「荷師」と呼ばれる職人4人で一日に100個以上を仕上げる。コロナ禍で落ち込んだ一斗樽(18リットル)以上の受注は以前の8~9割まで回復し、今年は38年ぶりの日本一に輝いたプロ野球阪神タイガース、サッカーJリーグ1部(J1)で初優勝を果たしたヴィッセル神戸の祝勝会でも使われた。
岸本敏裕社長(62)は「多くの人が鏡開きで笑顔になる光景を思い浮かべるとうれしいですね」と話した。(吉田敦史)
























