兵庫県内で2023年に確認された特殊詐欺の被害が前年比14%増の1224件(速報値)に上り、過去最多となったことが22日、県の集中対策本部会議で報告された。被害額も約19億9千万円(同)と過去2番目に大きかった。固定電話が被害の起点となっているケースが多く、県が23年12月に補助事業を拡充した自動録音電話機の普及に力を注ぐ方針を確認した。
同本部は特殊詐欺の急増を受けて23年11月に設置し、県と県警の担当幹部らで構成。この日の第2回会議では同年の被害速報や、65歳以上の被害者を対象に実施したアンケートの結果が紹介された。
被害全体の8割が神戸・阪神間に集中し、年齢層では65歳以上が77%を占めた。一方、被害者アンケートの結果では、回答した380人のうち73%が事前の対策を何もしておらず、「電話機に対策」は7%にとどまった。