兵庫県を含む関西地区の多くの2024年度私立中学受験が終了した。新型コロナウイルス禍による行動制限がほぼ撤廃され、従来の受験体制が復活。少子化が進む一方で、県内の中学受験者数は10年前に比べて大幅に増加している。近畿・首都圏で中学受験塾を展開する希(のぞみ)学園(本社・西宮市)の黒田耕平理事長兼学園長(48)と吉田政平渉外部長(55)に、今年の私立中受験の総括と今後の展望を聞いた。(聞き手・久保田麻依子)
■進む共学化、英検取得で優遇も
-関西地区は例年、1月の第2土曜日を入試初日として設定している。今年は兵庫県内の私立中38校のうち36校が13日にスタートした。
黒田理事長「コロナによる大幅な行動制限は、受験業界にも大きな影響があった。コロナ禍では遠方への通学を懸念し、無理なく通える学校を選ぶ安全志向が目立ち、難関の上位校が志願者数を減らしていた。今年はそれらの制限がなくなり、府県をまたいで受験に臨む、チャレンジ志向に戻った」