姫路市は8日、世界文化遺産・国宝姫路城(姫路市本町)の2023年度の外国人入城者数が初の40万人台に到達し、過去最多を更新したと発表した。新型コロナウイルス禍が落ち着いたことや歴史的な円安などが後押ししたとみられ、入城者全体の約3割を外国人が占めている。
外国人入城者数について、市は英語や韓国語、中国語、フランス語の外国語パンフレットの配布数から算出している。姫路城が世界遺産となった1990年代は2万~5万人台で推移し、2005年度に10万人を突破。「平成の大修理」直後の15年度には30万人に達した。
これまでの最多は19年度の39万5003人。コロナ禍の20、21年度は7千人台まで落ち込んだが、水際対策の緩和に伴い、22年度は10万人弱まで回復した。
23年度は桜の季節に入城者が増加し、4月は月別で最多の約6万人が訪れた。姫路駅と姫路城を結ぶ大手前通りの樹木を発光ダイオード(LED)で彩る夜間イベントも好評で、冬季の落ち込みをカバーしたとみられる。欧米からの観光客が目立つ。
全入城者数も4年ぶりに100万人を超えた。姫路観光コンベンションビューローの担当者は「昨年12月に世界遺産登録30年を迎えたタイミングでいい記念」と喜んだ。(井上 駿)