医師の妹尾栄治さん。阪神・淡路大震災で避難していた父が亡くなった=神戸市兵庫区東山町4(撮影・笠原次郎)
医師の妹尾栄治さん。阪神・淡路大震災で避難していた父が亡くなった=神戸市兵庫区東山町4(撮影・笠原次郎)

 29年間、消えぬ後悔がずっと胸の底にある。あのとき、父の足が腫れていた。それなのに、自分は見逃してしまった--。

 「せのお医院」(神戸市兵庫区)の院長、妹尾栄治さん(64)は今年1月、能登半島地震の被災地に赴いた。日本医師会災害医療チーム(JMAT)の一員として3日間、石川県穴水町で活動した。