新曲「トアロードのハレ娘」の歌詞に神戸への思いを込めた作詞家の松本隆さん=神戸市中央区北長狭通
新曲「トアロードのハレ娘」の歌詞に神戸への思いを込めた作詞家の松本隆さん=神戸市中央区北長狭通

 松田聖子さん、太田裕美さんらのヒット曲を手がけ、神戸で活動する作詞家の松本隆さんが、元町周辺を舞台に歌詞を付けた新曲が完成した。曲名は「トアロードのハレ娘」。5月初旬に神戸市内のライブハウスで発表し、歌詞の一部は今春リニューアルされた地元のアーチに刻まれる。(津谷治英)

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 松本さんは1969年に細野晴臣さん、大滝詠一さん、鈴木茂さんと結成したロックバンド「はっぴいえんど」でデビュー。ドラム担当で作詞もこなした。後に歌謡曲に転身してからは洋楽のメロディーを生かした詞を編みだし、数々のヒットを飛ばした。

 今回の新曲は、盟友の鈴木さんが自身のバンド用に作曲し、松本さんに作詞を依頼して誕生した。80年代を風靡(ふうび)した、明るく軽やかなメロディーが特徴だ。

 神戸と縁ができて10年以上になる松本さん。若い頃に過ごした東京・麻布周辺の坂道のある風景が好きで、「風街」と呼んで創作の原点にしてきた。北野町から海岸線に向かうトアロードは、その美意識と合致した。「山風、海風が交錯する心地のいい空間」と評す。