同級生からのいじめが原因で芦屋市立小学校に通えなくなり、転校した当時の女子児童と保護者が、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」の認定が遅れて被害が深刻化し精神的苦痛を受けたなどとして、市に慰謝料など約540万円の損害賠償を求めて神戸地裁に16日、提訴した。
訴状によると、女子児童は小学4年だった2021年12月、同級生から「死ね」などの悪口が書かれたメールを見せられた。精神的に不安定になり、22年2月に欠席が30日を超え、重大事態の目安に達したが、認定は同年7月になった。女子児童は5年生の3学期に市外に転校した。
市は同年11月に第三者委員会を設置。女子児童側が訴えた10件の行為のうち5件をいじめと認定した。
摂食障害や抑うつ状態と診断された当時の被害児童は通院を続けているといい、提訴後の会見で保護者は「娘だけがいろんなものを失った。学校や市教育委員会の対応に気持ちが踏みにじられるようだった」と訴えた。
市教委は「コメントできない」としている。