兵庫県クレー射撃協会(神戸市須磨区)が会員らによる県補助金の不正受給を発表した問題で、関与を指摘された大前有希選手(36)=姫路市出身=が1日、兵庫県庁で会見を開いた。「前会長の指示で領収書を作ったのに弁明の機会も与えられず、突然発表された。慎重な手続きなしに処分を決めている」などと協会側の対応に反論した。
同協会は7月22日に会見し、大前選手や前会長の男性らが2015~18年度、「弾丸代」名目で架空の領収書を作り、県の補助金計約250万円を不正に受け取ったと発表。うち18年度分の7万2千円について、詐欺容疑で県警に刑事告発するとしている。前会長には「聴取できていない」としていた。
大前選手は「領収書は前会長から金額やただし書きまで指示されて作った」と説明。自身の行為を「とても後悔している」と謝罪した上で「金額が違うと(前会長に)意見すると、『この単価でないと困る』と強いられた」などと話した。
また同協会が大前選手の会員資格停止の方針を示したのを受け、7月23日に自ら退会届を出したことも明らかにした。大前選手は日本クレー射撃協会のランキングで、トラップ種目の全日本1位(6月時点)。(井沢泰斗)