全議員86人が斎藤元彦知事に辞職を迫った兵庫県議会。要求に応じない場合は定例会初日の19日、全議員が不信任決議案を共同提出し、可決される見通しだ。最大会派の自民党をはじめ、当初は議会解散の可能性を懸念し、不信任案の提出に消極的だった各会派だが、県議会調査特別委員会(百条委員会)での開き直りとも取れる斎藤知事の発言や態度を引き金に、一気に「知事降ろし」が加速した。
「これ以上、この混乱が続くのは県民に不安を与える。辞職しないのであれば、議会としてやれることをやる」
12日午後、知事への辞職申し入れ後に開かれた自民会派(37人)の議員総会。直後に会見した北野実幹事長は強い決意を口にした。不信任案提出に異論は出なかったという。
3年前の知事選で斎藤知事を推薦した自民。7月14日の県連大会で、参院議員の末松信介会長(兵庫選挙区)が知事に事実上の辞任を求めたが、この時点で不信任案には慎重な県議が大半だった。ベテラン議員の一人は「われわれは昨年4月に県議選が終わったばかり。選挙になれば費用もかかる。知事が自主的に辞職してくれるのが一番望ましい」と吐露していた。
だが、8月末から9月上旬にあった百条委で風向きは一変した。