神戸新聞NEXT
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 戦後3代目の公選知事、金井元彦は2期目を終える1970年、「引退の決意を固めた」と記者会見する。兵庫県政のトップは3代続けて2期で交代することになった。金井の後継指名を受け当選したのは、副知事だった坂井時忠。東大卒の旧内務官僚だ。

 現在まで官僚出身者は続くが、かつて県庁「生え抜き」で知事の座に挑戦した候補者がいる。74年の坂井2選に「待った」をかけた副知事、一谷定之焏(いちたにさだのじょう)だ。一谷は戦時中の43年に兵庫県に入り、各部長を歴任。教育長を経てナンバー2に就いた。