たつの署に移送される勝田州彦容疑者=7日午前11時40分、たつの市龍野町富永
たつの署に移送される勝田州彦容疑者=7日午前11時40分、たつの市龍野町富永

 たつの市で2006年9月、小学4年の女児が刃物で刺され重傷を負った事件で、兵庫県警捜査1課とたつの署は7日、殺人未遂の疑いで、別の女児殺害で無期懲役の判決を受けて服役していた勝田州彦容疑者(45)を逮捕した。県警の調べに「女の子を刃物で刺したことに間違いない」と行為を認める説明をした上で、「殺すつもりはなかった」と殺意を否定しているという。

 逮捕容疑は、06年9月28日午後6時20分ごろ、同県たつの市新宮町の路上で、学習塾から帰宅中だった女児=当時(9)=の胸と腹を刃物で複数回刺し、殺害しようとした疑い。女児は肝損傷などの重傷を負った。逮捕後の調べに「(被害者に)申し訳ないと思っている」と謝罪の言葉も述べているという。

 同課によると、女児らが刃物で襲われる類似事件の捜査から勝田容疑者が浮上。県警が刑務所で服役中の今年5月末から任意で聴取を重ねた結果、当初は否認していたが、「刃物で刺した」と事件への関与を認める供述をしたという。

 事件では目撃情報や物証が乏しく、18年間にわたり容疑者の特定に至っていなかった。県警は、任意聴取で勝田容疑者が説明した事件時の状況と、現場や女児の負傷状況などに矛盾がないと判断。周辺の防犯カメラに写った不審な男とも似ていることから、逮捕に踏み切ったとしている。

 捜査関係者によると、07年10月16日夕、同県加古川市別府町新野辺で、小学2年の鵜瀬柚希さん=当時(7)=が刃物で刺されて死亡した事件についても、県警の任意聴取に関与を認める供述をしているとされる。

 勝田容疑者は04年9月3日午後、岡山県津山市で小学3年の女児=当時(9)=を刃物で刺すなどして殺害。18年5月に逮捕された。22年1月に岡山地裁で無期懲役の判決を受け、23年9月に確定した。