閉館方針が示された伊丹市立演劇ホール=伊丹市伊丹2(撮影・吉田敦史)
閉館方針が示された伊丹市立演劇ホール=伊丹市伊丹2(撮影・吉田敦史)

■老朽化、市民利用少なく…機能は縮小移転

 関西屈指の小劇場演劇の拠点で、関東の劇団との交流の場にもなってきた伊丹市立演劇ホール(アイホール)について、同市が2025年度末で閉館する方針を固めた。劇場機能は市立文化会館(東リいたみホール)内に縮小移転、建物は民間に貸し出し、まちのにぎわい創出につながる事業へと用途転換するという。劇作家の平田オリザさんらが存続を訴えてきたが、演劇関係者は閉館方針に「失うものは大きい」と落胆を隠せない。(小尾絵生)

 伊丹市は関西の小劇場ブームを背景に1987年、「劇場都市」を宣言、翌年にアイホールが開館した。JR伊丹駅前の好立地で、3階建て、延べ床面積2445平方メートル。イベントホール(最大300席、357平方メートル)は可動式の床など、特殊な舞台機構を備える。講座などに使えるカルチャールーム2室もある。