稽古に汗を流す沼島中学校の柔道部員=2022年4月、南あわじ市沼島
稽古に汗を流す沼島中学校の柔道部員=2022年4月、南あわじ市沼島

 強豪の部活動に入りたいなどの理由で校区外の公立中学校へ通う「越境通学」が後を絶たない。兵庫県では不登校など特別な事情を除き、居住地近くの指定校に通うのが原則だが、住民票のみを移し、希望の学校に入るケースが相次ぐ。指導を民間などの外部に委ねる「地域移行」の検討も進む中、生徒がスポーツに親しめる環境をどう整えるか。悩める現場を取材した。(西竹唯太朗)

 「ありがとうございました」。8月の夕方、あいさつが中学校の体育館に響き、練習が終わった。制服に着替えた生徒の一部は、最寄り駅へと向かった。

 播磨地域のある市立の中学校には、全国大会でも好成績を残している運動部に入るため、他の市町から毎年、生徒が入学してくる。市教育委員会の担当者は「住所を親類宅などに移して入学するが、実際は自宅から電車などで通うケースが多いようだ」と明かす。