津高誠さん
津高誠さん

■震災前夜「またキャンプ行こな」

 西宮市高木東町の津高誠さん=当時(12)=は、30年前の阪神・淡路大震災で亡くなった。高木小学校の6年生だった。

 六つ違いの兄、智博さん(47)にアルバムを見せてもらった。「僕だけ年をとってしまって」。写真の中でほほ笑む弟は、ずっと少年のままでいる。

 「兄ちゃん」と言って、兄になついていた弟。兄は「まー」と呼んでかわいがった。震災の前夜は一緒にお風呂に入った。「今年は新しいテント買って、またキャンプ行こな」。誠さんは心底、楽しみな様子だった。その後はアニメの本を夢中になって読んでいた。「はよ寝ーよ」。そう声をかけたのが最後になった。