藤原保幸伊丹市長
藤原保幸伊丹市長

 兵庫県伊丹市の藤原保幸市長(70)が、4月に予定されている次期市長選に立候補せず、5期目の今期限りで退任する意向を周囲に伝えたことが27日、関係者への取材で分かった。後継指名はしないとみられる。

 藤原氏は同市出身で、灘中高、東京大工学部を経て、1977年に建設省(現国土交通省)に入った。兵庫県に出向中の95年に起きた阪神・淡路大震災では、仮設住宅整備に携わるなど復興に努めた。2002年に伊丹市助役に就き、05年の市長選で初当選。4期目には県市長会長を務めた。

 当初から大阪(伊丹)空港との「共生」を宣言し、周辺自治体でつくる「大阪国際空港周辺都市対策協議会」(10市協)の会長として空港の活性化にも注力。歴史と文化を生かしたまちづくりや、防犯カメラ1200台を使った安全・安心の向上、子育て支援も積極的に進め、県内の人口減少が続く中、19万人台を維持した。堅実な財政運営で、5期目には市役所の建て替えを実現。市立伊丹病院と近畿中央病院の再編統合も進めている。

 市長選は4月6日告示、同13日投開票で行われる。同市選出の県議中田慎也氏(42)が立候補の意向を示しているが、正式に表明した人はいない。(吉田敦史)