左足の中敷き部分にGPS機器を埋め込める専用靴=川西市役所
左足の中敷き部分にGPS機器を埋め込める専用靴=川西市役所

 高齢化が進む中、認知症による行方不明者が全国で後を絶たない。徘徊から数日たっても見つからず、亡くなってから発見される人もいる。事故などを起こした場合、高額な損害賠償を請求される場合もある。いわゆる「オールドニュータウン」を抱え、高齢化が先行する川西市では、GPS(衛星利用測位システム)機能付きの靴などを購入する際に助成するなど、行方不明者の早期発見につなげる取り組みが始まっている。(浮田志保)

 川西市は1960年代後半以降、北部を中心にニュータウン開発が始まった。ファミリー世帯が次々入居し、市の人口は一時的に増加したが、その後は大人になった子ども世代が故郷を離れ、夫婦や1人暮らしの人の高齢化が進行。2005年と20年の国勢調査を比べると、市内で65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、夫婦のみは6003世帯から11306世帯に、独居世帯は4653世帯から9008世帯に増えた。