おしり洗浄に求める価値について、感性工学に基づいて研究した長田典子教授(右)と都賀美有紀特任助教=三田市学園上ケ原、関西学院大神戸三田キャンパス
おしり洗浄に求める価値について、感性工学に基づいて研究した長田典子教授(右)と都賀美有紀特任助教=三田市学園上ケ原、関西学院大神戸三田キャンパス

 「人がおしり洗浄に求める価値がこんなにも多様だったとは想像していなかった。お尻の多様性に触れた気がする」。日本が世界に誇る技術の一つとして知られる温水洗浄便座。人はそこに何を求めて座るのか。語られることの少ない謎に、関西学院大工学部の長田典子教授(64)らが挑んだ。(鈴木雅之)

■「秘めた幸せ」使用時の感情分析

 長田教授の専門は「感性工学」。人の五感や感性といった、あいまいで、論理的な説明が難しい分野について工学や心理学、統計学を駆使したアプローチで可視化していく学問領域。長田教授はこれまで化粧品やマッサージの商品開発などで企業の研究を多数手がけてきた。