告発文書問題について報道陣からの質問に答える斎藤元彦知事=8日午後、兵庫県庁(撮影・風斗雅博)
告発文書問題について報道陣からの質問に答える斎藤元彦知事=8日午後、兵庫県庁(撮影・風斗雅博)

 兵庫県の告発文書問題を巡り、斎藤元彦知事が言及した公益通報者保護法の解釈が、同法を所管する消費者庁から「国の公式見解と異なっている」と指摘を受けたことについて、斎藤知事は8日の定例会見で「一般論の法解釈として重く受け止める」と語った。一方で「(法解釈には)さまざまな考え方がある」とも述べ、改めて一連の県の対応は適切だったと主張した。

 同法は通報者への不利益な取り扱いを防ぐなどする体制整備の義務を、企業や自治体に課している。斎藤知事は3月26日の記者会見で、この対象が「3号(外部)通報も含まれるという考え方がある一方で、内部通報に限定されるという考え方もある」と話していた。

 これに対し、消費者庁は4月8日、体制整備義務の対象には外部通報が含まれると指摘。知事や関係部署に、法の趣旨の理解と適切な対応を求めるメールを送っていた。

 斎藤知事は県議会調査特別委員会(百条委員会)の審議で、消費者庁と異なる見解を示した弁護士の意見を挙げて「考え方がさまざまあるという事実を説明した」と述べ、発言の撤回や修正を否定。消費者庁の見解を受け入れるかを問われると直接の言及を避け、「法改正や今後の研修を踏まえて、体制整備をどのようにしていくのかが大事。国や他の自治体などを参考にしたい」と話した。(前川茂之、井上太郎)