神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1
神戸地方検察庁=神戸市中央区橘通1

 神戸地検で2020年4月~25年3月、職員計12人が国家公務員法に基づく懲戒処分や内部規定による処分を受けていたことが27日、神戸新聞社の情報公開請求で分かった。職務上入手した電子データをコピーし自宅で視聴したり、公判で過少な追徴額を求刑し裁判所に過少な判決を言い渡させたりした事例があった。

 懲戒処分は「減給6カ月」と「戒告」がそれぞれ1人。内部処分は「訓告」が2人、「厳重注意」が3人、「注意」が5人だった。

 減給6カ月の懲戒処分を受けたのは50代の男性事務官で、16~24年に捜査書類など137点を適切に管理せず放置した。戒告の職員は22~23年、職務上のデータを無許可で私用パソコンにコピーして視聴したほか、24年2月に不必要な叱責や愚痴を述べ、職務を制限する発言をするなどのパワハラ行為をした。

 内部処分では、誤って追徴額を本来より過少に求刑した職員らが厳重注意などとなった。他にも、警察から誤って成人として送致された少年を家裁へ送致せず不起訴としたり、誤って公訴時効を迎えさせたりした事例のほか、記録の紛失・誤廃棄もあった。

 松居徹郎次席検事は「今後も引き続き職員への指導を徹底し、適正な職務遂行に努める」としている。