兵庫県の斎藤元彦知事は9日の定例会見で、参院選で外国人にかかわる政策が争点化していることについて問われ、「兵庫県は明治の開港以来、対外的にオープンになってきた地域。外国人と共生する社会づくりを進めることが大事だ」と述べ、差別的な発言やヘイトスピーチを容認すべきでないとの立場を示した。
参院選では、外国人との共生のあり方が一大争点に浮上しており、「日本人ファースト」を掲げる参政党の神谷宗幣代表は「いい仕事に就けなかった外国人が集団で万引などをして大きな犯罪が生まれている」と主張。政治団体「NHK党」の立花孝志党首も「黒人やイスラム系の人たちが集団でいると怖い」と語るなど、排外主義的な主張が交流サイト(SNS)上で広く拡散されている。
斎藤知事は「各政党の主張に対するコメントは差し控える」としつつも、「農業や漁業、コンビニなど、われわれの社会の中で多くの外国人が働いている現実がある。ヘイトスピーチや人権を損なう対応は、日本人として控えるべきだ」と訴えた。(参院選取材班)