警察車両で送検される立花孝志容疑者=10日、神戸市中央区下山手通5
警察車両で送検される立花孝志容疑者=10日、神戸市中央区下山手通5

 兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑を調べ、1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明氏=当時(50)=をデマで中傷したとして、名誉毀損の疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が逮捕された事件で、立花容疑者と接見した弁護士が12日夜、報道各社の取材に応じ、立花容疑者が逮捕後の調べに、容疑を否認していると説明した。

 11、12日に県警本部で立花容疑者と接見した徳永信一弁護士によると、逮捕容疑の一つとなった「竹内氏が警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」という街頭演説での発言に関し、立花容疑者は「真実相当性があった」と違法性を否定していたという。

 また、もう一つの逮捕容疑で、竹内氏の死後に交流サイト(SNS)や選挙の応援演説で行った「明日逮捕される予定だったそうです」との発言には「虚偽の認識はなかった」という趣旨の説明をしたという。

 立花容疑者は、すでに他の弁護士3人を弁護人として選任。徳永弁護士は、起訴されれば弁護人になりたいとの意向を示した。

 兵庫県警は、立花容疑者の発言を「事実無根で、明白な虚偽」と否定。立花容疑者が虚偽と認識した上で発信したとみている。

 竹内氏は県の告発文書問題を調べる調査特別委員会(百条委員会)の委員だった。斎藤知事が再選された昨年11月の知事選で、知事を陥れた「黒幕」と立花容疑者に名指しされ、SNSで誹謗中傷を浴びた。

 選挙後に議員辞職し、2カ月後に死亡した。自死とみられている。