措置命令後も採石場へ土砂を搬入するダンプカーを神戸市職員が撮影していた=2023年8月、神戸市北区有野町有野(神戸市の公文書から)
措置命令後も採石場へ土砂を搬入するダンプカーを神戸市職員が撮影していた=2023年8月、神戸市北区有野町有野(神戸市の公文書から)

 「川が濁っている。土石流が心配だ」。2021年7月5日、神戸市北区有野町にある採石場周辺の異変が、住民から市に寄せられた。2日前、静岡県熱海市で未曽有の土石流災害が発生したばかりだった。(井沢泰斗)

 採石場では09年ごろ、地元業者が許可を得て建設残土を受け入れ始めた。その後、付近の集落そばを流れる川が濁る情報はあったが、熱海の災害後に全国で行われた「盛り土総点検」で土砂の勾配に違反が発覚。さらに神戸市が業者に指導する間も、許可区域外に盛り土が拡大していった。

 「崩壊したら民家に危険が及ぶかもしれない」